研究課題/領域番号 |
15K09570
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
今滝 修 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60437697)
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研究分担者 |
植村 麻希子 香川大学, 医学部, 助教 (00710188)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | γδT細胞 / 細胞免疫療法 / がん化学療法 / 自然免疫 / 腫瘍免疫 / 感染症 / 免疫不全 / 日和見感染症 |
研究実績の概要 |
2014年1月から2016年12月までの2年間に当院で骨髄液や腫瘍組織中の細胞表面マーカー検索を実施した症例277例を対象にした。血液悪性疾患の診断はWHO分類(2008)に基づいて診断した。全症例277例中、女性119例、男性158例で、年齢の中央値は58歳(1~93歳)であった。基礎疾患の別では、全症例中血液悪性腫瘍性疾患ありが167例(60.2%)、なしが110例(39.8%)であり、血液悪性腫瘍性疾患なしの症例群をコントロール群として以下の解析をすすめた。全症例156例(骨髄液66例、腫瘍組織90例)において、観察期間内の死亡イベントは20例(12.8%)であり、骨髄液群と腫瘍組織群にそれぞれ10例ずつであった。血液腫瘍性疾患において骨髄液中と腫瘍組織中のリンパ球分画の割合が生存に及ぼす影響を多変量解析で比較したところ、骨髄液中のリンパ球分画の中で有意に生存に寄与する細胞成分はみられず、年齢だけが唯一の寄与因子であった(P<0.0001)。また腫瘍細胞中のリンパ球分画のうち、ヘルパーT細胞とB細胞が有意に生存に影響していた(それぞれP=0.0243,0.0143)。年齢は有意な要因ではなかったが(P=0.5655)独立因子として強制投入した。統計学的に有意な関連がみられたリンパ球分画、ヘルパーT細胞とB細胞で、その対象細胞成分が中央値より多いか(+)少ないか(-)の二群比較生存曲線を描画したところ、腫瘍細胞内のヘルパーT細胞(Th)が多い群(+)では少ない群(-)に比較して予後が良好であり、また腫瘍組織内のB細胞(B)が多い群(+)では少ない群(-)に比較して有意に全生存が長かった。 さらに本年度において口腔内細菌叢および腸管内細菌叢のメタゲノム解析を行い、プレバイオティクスとプロバイオティクスが腸管免疫や宿主免疫に与える影響を解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定したγδ細胞の増力がみられず、体内での内因性γδ細胞と患者治療アウトカムとの関連を調べることとし、新たに設定企画した研究内容でのデータが出そろった段階である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度において口腔内細菌叢および腸管内細菌叢のメタゲノム解析を行い、プレバイオティクスとプロバイオティクスが腸管免疫や宿主免疫に与える影響を解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞培養実験が当初の計画通り進行しなかったため、実際の臨床検体を用いた解析で代用し、新たな知見を得ている。
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