近年、消化管や生殖器、皮膚組織などのマイクロバイオームに基づいて、疾患の発生や予防機序に応用する試みが行われている。肺炎の発症予測や病態解析において口腔内や腸内の環境、すなわちマイクロバイオームが有用ではないかという仮説を立て、それを検証する研究を行った。 ヒトを対象にした研究を行う前に、動物モデルを用いた基礎研究が必要である。マウスの肺炎モデルを用いて、マイクロバイオームの変容を解析した。 口腔内環境は誤嚥性肺炎のように原因としての認識が強いが、下気道感染症の存在自体で口腔内細菌叢が変容することが示され、下気道から上気道への何らかのフィードバック機能があるものと推測された。
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