研究課題
H27-H28年度は、重症インフルエンザ感染後肺炎球菌感染マウスモデルを用いて、ヒストンアセチル化を介したエピジェネティック制御機構を解明すべく、ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬であるTSAが保護的役割を有する事を示した。H29年度は、もう一つの課題である、インフルエンザ感染後肺炎球菌感染における、ヒストンメチル化、とくにヒストンH3K27メチル化酵素Ezh2の役割に関して以下の検討を行った。ヒストンH3やH4のメチル化は、その修飾部位により転写活性への影響が異なり、ヒストンH3K27のメチル化は転写活性抑制性の修飾である。そしてEzh2はH3K27の特異的メチル基転移酵素であり、転写活性抑制性に働く。本研究では、薬剤(タモキシフェン)誘導性にEzh2が全身の細胞でノックアウトされるEzh2 flox/flox ERT2-Creコンディショナルノックアウト(cKO)マウスとコントロールマウス(Ezh2 flox/floxマウス)を用いて、非致死量のインフルエンザウイルス(A/H1N1, PR8株) 5 pfuを点鼻感染後、7日目に臨床分離株である肺炎球菌(血清型3)1x10の4乗 cfuを点鼻投与することで、インフルエンザ感染後2次性肺炎球菌感染を惹起した。その結果、Ezh2 cKOマウスでは、コントロ-ルマウスに比べ生存率が有意に低下した。また肺炎球菌感染24時間後の気管支肺胞洗浄(BAL)液中の総細胞数及びマクロファージ数がcKO 群で有意に上昇し、24時間後のBAL液中のIL-1βがEzh2 cKO群で有意に上昇した。今後はさらに本モデルを用いてEzh2の保護的役割のメカニズムに関して検討していきたい。
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