今回、消化管の粘膜免疫がどのようにバクテリアルトランスロケーション(BT)に関与しているかについて、マウスの炎症性腸疾患(IBD)モデルを用いて検討を行った。その結果、NKT細胞が欠如したCD1dノックアウトマウスはコントロールマウスに比較してIBD誘導後の死亡率は有意に低かった。また、IBD誘導後、CD1d欠損マウス群では体重の増加がみられたのに対し、コントロール群では急激な減少を認めた。さらにコントロール群の血便スコアは急激に上昇したが、CD1d欠損マウス群では低値であった。これらの結果により、NKT細胞はIBDの重症化に関与し、BTを介して敗血症を増悪させる可能性が示唆された。
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