研究課題/領域番号 |
15K09597
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮原 弘明 大分大学, 医学部, 講師 (00457615)
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研究分担者 |
井原 健二 大分大学, 医学部, 教授 (80294932)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Leigh脳症 / ミトファジー |
研究実績の概要 |
当該年度では説明と同意の下で2例のLeigh脳症患児の皮膚を採取し、培養線維芽細胞株を確立することに成功した。予備実験ですでに採取した正常対照の線維芽細胞株と同様に、それらの細胞株は細胞保存液に懸濁した状態で液体窒素下に凍結保存した。次年度にはさらに1例のLeigh脳症患児から線維芽細胞を採取できる予定である。 当該年度には、プラスミドとリポフェクション試薬を用いて、正常対照の線維芽細胞へのLC3緑色蛍光蛋白の導入に成功し、飢餓負荷にてオートファジーを可視化することに成功した。次年度にはLeigh脳症線維芽細胞株へのLC3緑色蛍光蛋白の導入を試みる。それが成功したら、次にミトファジーを確認するためMitoTracker(ミトコンドリアを赤色蛍光で標識する)との2重蛍光を試みる予定としている。 LC3緑色蛍光蛋白を導入した線維芽細胞に飢餓負荷をかけ、蛍光顕微鏡で経時的に観察することでオートファジーが最も誘導される条件(負荷の強さ、時間)を確認する。その結果をもとに、線維芽細胞に適切な飢餓負荷をかけたものをウェスタンブロットのサンプルとする。ウエスタンブロットに用いる機材や試薬はすでに購入済であり、使用準備はできている。 ミトコンドリア活性を定量的な評価はミトコンドリア単離・活性アッセイキットを用いて次年度以降に行う予定としている。 mitoTALENによる変異mtDNAの除去とミトファジーの変化に関しては、上述の実験が完了し次第開始する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の進捗状況は概ね予想通りと自己評価している。次年度以降の実験で新規手法を試みることになっており、難渋する可能性はある。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた3例のLeigh脳症の患児からの線維芽細胞は順調に進んでいるが、症例数が少ないことが問題と考えている。新規患者がいれば適宜追加していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は病気対照と正常対照の皮膚組織の採取と線維芽細胞株の確立などの実験準備段階に時間を要したことから、当初計画よりも物品等の購入が少なくなったため残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は平成28年度にLeigh脳症の線維芽細胞から抽出した蛋白を用いた研究を行い、消耗品が必要となるため、合わせて使用する。
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