HIBCH欠損症では、ミトコンドリアにバリン代謝の中間産物であるmethacrylyl-CoAが蓄積する。これがグルタチオンやミトコンドリアの電子伝達系のタンパク質と結合することで、ミトコンドリアのATP産生機能に障害が生じ、病気が発症する。患者由来リンパ芽球を低グルコース培地で培養すると、継時的に生存率が低下する。本研究では、この培地に治療候補薬剤を添加して培養し、リンパ芽球の生存率が維持されることを治療効果として、HIBCH欠損症に対する治療候補薬剤の評価を行った。その結果、細胞内のグルタチオン量を増やす薬剤が、最も患者リンパ芽球の生存率を回復することが明らかとなった。
|