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2017 年度 実施状況報告書

FAM111Aの骨成長、ミネラル代謝における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K09612
研究機関帝京大学

研究代表者

磯島 豪  帝京大学, 医学部, 講師 (00568230)

研究分担者 北中 幸子  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30431638)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード骨代謝
研究実績の概要

本研究では、FAM111Aの生体内での機能は不明のため、Kenny-Caffey症候群(KCS)の成長障害に注目し、軟骨細胞における分化に影響を与える分子であると考えて実験を行ってきた。昨年と同様に軟骨分化のin vivoモデルであるATDC5細胞(マウス由来)を用いて実験を行った。KCS2型およびOsteocraniostenosisの原因として報告のあるヒトFAM111A遺伝子のR569H、P527Tについて、レンチウイルスを用いてDOX誘導性FAM111A(野生株、R569H、P527T)強制発現ATDC細胞株を樹立した。本年は、軟骨分化と細胞増殖について次の2つの検討を行った。①強制発現したATDC細胞株を、分化前、分化1週間後、分化2週間後、分化3週間後、さらにリン酸を加えて2日後の細胞について、軟骨細胞が分泌する細胞外基質をトルイジンブルーにより染色することで、FAM111A強制発現による軟骨分化への影響を検討した。②FAM111Aは、プロテオミクスを用いた網羅的解析で、DNAの複製の際に増殖細胞核抗原(PCNA) と共に働き、細胞周期がS期に入るのに重要な蛋白質であることが報告されている。そこで、分化前のFAM111A強制発現ATDC細胞株を用いて、それらの細胞株の細胞増殖能について検討した。
結果として、①野生型FAM111Aを強制発現した細胞系列では、軟骨分化が抑制され、R569HとP527Tを強制発現した細胞系列ではさらに著しい抑制が認められた。②R569HとP527Tを強制発現した細胞系列では、細胞増殖能の低下が認められた。
現在、FAM111Aの野生型や変異型を導入したトランスジェニックマウスを作成中であるが、明らかな成長抑制が認められたマウスも誕生しており、今後詳細な検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

実験系が不安定であり、当初予定していたリアルタイムPCR法を用いた軟骨分化に関わる種々の分子の発現量解析が再現性のある結果が得られなかったことから、今後の研究の方向性について再考する必要があったため。

今後の研究の推進方策

in vivoの実験系でFAM111Aは、軟骨細胞の増殖および分化に影響を与える分子である可能性が示唆されたため、軟骨細胞の増殖および分化について、違う角度からの検討を試みたい。具体的には、共同研究を行っている東京大学において、FAM111Aを強制発現したトランスジェニックマウスに成長抑制を認めるものが生まれていることから、マウスを用いた検討も視野に入れて、FAM111Aの生体内における役割の解明の一助としたい。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者の研究半ばでの異動および、当初計画していた実験の不成功や実験系が不安定なことにより、実験計画が大幅に遅延していることが大きな理由である。さらに次年度行うマウスの実験に費用が多く必要になると考えたために次年度使用額が生じた。次年度は、現在残って居る研究費で人権費を出すことが可能であるため、技術員を雇うことで、効率的な実験の遂行を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 骨成長におけるFAM111Aを中心とした分子メカニズムの解明2017

    • 著者名/発表者名
      磯島 豪、田中 裕之、斉藤 琢、北中 幸子
    • 学会等名
      第51回小児内分泌学会学術集会
  • [学会発表] Kenny-Caffey症候群2型の原因遺伝子であるFAM111Aの生体内での発現と軟骨分化への影響2017

    • 著者名/発表者名
      田中 裕之、田村 麻由子、高橋 千恵、磯島 豪、齋藤 琢、岡 明、北中 幸子
    • 学会等名
      第51回小児内分泌学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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