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2017 年度 実績報告書

精巣分化におけるエピジェネティックな分子制御機構の解明と再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K09615
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

鹿島田 健一  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80451938)

研究分担者 森尾 友宏  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30239628)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード精巣 / 発生 / エピジェネティックス / シトルリン化
研究実績の概要

精巣の発生異常は、性の分化に異常を来す性分化異常症(Disorders of Sex Development:以下DSD)の原因となり、その多くはいわゆる曖昧外性器(男女の区別がつきにくい外性器)を伴うため、養育性の決定などを含め、心理学的、社会的な影響は臨床上大変深刻である。精巣発生分化異常に伴う疾患の診断、治療法の確立は最も望まれるものの一つである。
本研究では精巣発生の転写制御ネットワークにエピジェネティックな機構の関与を検討することを目的に、PAD(Peptidylarginine Deiminase)の一つであるPAD2が胎生期にセルトリ細胞特異的に発現することに注目し、検討を行った。PAD はタンパク質翻訳後修飾を行う酵素であり、アルギニンをシトルリンに置換(シトルリン化)しエピジェネティックな制御を行う可能性が示されている。
(1) セルトリ細胞のモデルであるTM3細胞を用いた強制発現系で、SOX9が正に、FOXL2が拮抗的にPadi2遺伝子の転写を制御することを示した。AMH-Cre: Sox9flox/flox マウスにおいて、Padi2の発現は著明に低下した。(2) SOX9により正に、FOXL2により負に応答するenhancer領域をreporter assayにより示した。(3)siRNAを用いPadi2をknock downし、SOX9による標的遺伝子の転写活性に対し補助的に作用する可能性を示した。(4) Padi2ノックアウトマウスを作成し、XYマウスの表現型の解析を行ったが、精巣発生における明らかな表現型を認めなかった。
以上のデータよりPAD2はSOX9およびFOXL2の制御によりセルトリ細胞特異的に発現し、タンパク翻訳後修飾を介して、SOX9の標的遺伝子発現を補助的に制御している新規の精巣分化に寄与する分子である可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] SOX9により促進的発現制御を受けるPAD2の精巣分化における役割2018

    • 著者名/発表者名
      鹿島田 健一
    • 学会等名
      第91回 日本内分泌学会
  • [学会発表] SOX9 and FOXL2 antagonistically regulate peptidyl arginine deiminase 2 (Padi2) expression during testicular development2018

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Kashimada
    • 学会等名
      8th International Symposium on Vertebrate Sex Determination
    • 国際学会
  • [学会発表] SOX9 and FOXL2 antagonistically regulate peptidyl arginine deiminase 2 (Padi2) expression during testicular development2018

    • 著者名/発表者名
      Atsumi Hosokawa-Tsuji
    • 学会等名
      ENDO 2018 第100回米国内分泌学会議
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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