研究課題/領域番号 |
15K09616
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長崎 啓祐 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70419315)
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研究分担者 |
高桑 聖 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (00313643)
田久保 憲行 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20306583)
澤田 浩武 宮崎大学, 医学部, 教授 (40332895)
長谷川 行洋 東京都立小児総合医療センター(臨床研究部), なし, 部長 (70172898)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | バセドウ病 / ランダム化比較試験 / 介入研究 / メチマゾール / コレステロール吸収阻害剤 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中等度以上の甲状腺機能亢進を呈する小児バセドウ病新規発症例に対して、抗甲状腺剤であるチアマゾール(MMI)とコレステロール吸収阻害剤の併用療法が初期治療として有用であるかを国内、国外を通じ始めてランダム化比較試験により検討することである。この目的のために、小児期発症の新規バセドウ病を対象とした抗甲状腺剤単独療法と抗甲状腺剤とコレステロール吸収阻害剤併用療法の多施設共同非盲検ランダム化比較試験を立ち上げ、2014年6月に臨床研究を開始した(UMIN000014383)。当初26施設で開始したが、医師の異動等により、2015年4月時点では24施設が参加し、19施設で倫理委員会の承認を得ている状況であった。昨年度末までに19症例の登録があったが、目標症例数に達していなかったため、3施設の追加を行った。2016年度は12例の症例登録があり、合計で31例の症例が登録されている。しかし、目標症例数に届かないために、小児内分泌学会の理事会承認の上で、再度小児内分泌学会の評議員に参加を呼びかけた。新たに12施設が加わり、合計で37施設(うち33施設で倫理承認を得ている)が参加している状況である。2016年8月、2017年2月にモニタリングレポートを作成し、現状を伝えている。本研究において、現在まで重篤な副作用の報告はないが、併用禁忌薬使用のため1例は脱落症例となっている。また初診時のFT3,FT4が測定感度以上の検体をLC-MS/MS法で測定した。本研究を遂行するために、臨床研究保険、データ中央モニタリング費用、外注検査、旅費等の費用が必要であり、今年度も引き続き症例の登録を行なっていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究計画では、平成28年度までに70名程のエントリーを予定したが、現在31例のみに留まっており明らかに遅れている状況である。再度各施設に、登録症例が少ない状況について理由を確認したが、やはり該当症例がいないということであった。昨年末より参加施設を大幅に増やし、小児内分泌学会の協力も頂きながら症例を集めているところであり、今後の症例数の増加に期待する。また症例数の多い甲状腺専門病院の研究参加を打診しているところである。
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今後の研究の推進方策 |
研究の遂行には、症例の登録が必要であり、昨年末に新たに12施設が加わり、研究体制を整えている。症例追加のために、各施設に積極的に働きかけて、症例を集めていく。症例が集まらない場合の中間解析に関しては、統計学的観点から行なわない予定である。研究計画では、各群の症例数が31例であるので、最低65例程度は集めて解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画ではCRC委託料として年間30万円を計上していた。見積もり上は3年間で合計874,800円になっており、単年度あたりおよそ30万円である。平成27年度は当院のプロトコールデータセンターが立ち上がったばかりであったので、委託料が請求されなかったために、今年度分に請求した。今年度の金額請求は437,400円であるが、4月中に支払いされた。臨床研究保険料で20万円を計上しているが、実際の保険料は72,000円であり、差額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
当院のプロトコールデータセンターへ、CRC委託料などとしてすでに437,400円が支払われている。 甲状腺ホルモン値に関して、測定感度以上の検体については、別途LC-MS/MS法で計測するために、この費用を割り当てる予定である。
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