多小脳回症のラットモデルにおけるキンドリングでは多様なけいれん活動が誘発された。また、脳回の異常形成に伴う神経細胞の変性および、その後に生じる軸索伸長の活動性は主として介在神経細胞に観察された。このことから、多小脳回症のけいれん閾値の上昇は、興奮性神経細胞障害によって惹起された介在神経細胞の選択的脆弱性が関与するものと推測された。一方、重症心身障害児者を対象とした難治性てんかんの臨床解析では、発作間欠期脳波における多焦点性発作波の出現頻度が有意に高かった。このことから、高度脳障害に伴う難治性てんかんの病態基盤には、多焦点性のてんかん原生領域の形成が密接に関与するものと考えられた。
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