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2016 年度 実施状況報告書

先天性GPI欠損症の治療法と診断マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K09618
研究機関大阪大学

研究代表者

富永 康仁  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (20599245)

研究分担者 青天目 信  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30570072)
岩谷 祥子  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教 (60724903)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード先天性GPIアンカー欠損症 / ピリドキシン / 活性化葉酸
研究実績の概要

先天性GPIアンカー欠損症(Inherited GPI (glycosylphosphatidylinositol) deficiencies (IGDs))の一病型であるPIGO(phosphatidylinositol glycan anchor biosynthesis class O)9症例につき遺伝子型と臨床型の相関の検討を行い、Human Mutation誌に報告した。その中で、高ALP血症とフローサイトメトリーによる分析がIGDの診断に有用であること、しかしGPIアンカー型蛋白質の発現量と高ALP血症の値とは相関しないこと、また機能解析によっても臨床的重症度とも同じく相関していなかったことを明らかにした。更に他の病型であるPIGA(phosphatidylinositol glycan anchor biosynthesis class A) deficiencyと比較し、PIGOは臨床的特徴(Hirschsprung病、指趾末梢欠損、高ALP血症)を有することを明らかにした。以上より病型により臨床症状のスペクトラムが異なることが分かった。平成28年度の当院における新規の診断症例は1例であった。この新規症例もてんかんを合併し、ピリドキシンの臨床研究に参加しその治療効果を観察中である。病型は検索中であるが、本例はこれまでの症例には認めていなかった免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM)の低値と著明な貧血、高PTHも合併しており新たな病型あるいは病態を有する可能性もあると考えている。以上の内容を学会で報告し疾患の周知と新規の検査依頼症例の獲得を目指している。最後に、平成27年度より開始している、ピリドキシンによる臨床研究は平成28年12月で患者登録を終了した。その治療効果や各種検査の変化などを現在まとめている所である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新規症例の診断は当初の目標症例数よりは少ないため進捗状況としてはやや遅れている。その理由とした本疾患は希少疾患であることが挙げられる。

今後の研究の推進方策

平成28年度で臨床研究(ピリドキシン治療)を開始した症例の中で、その治療効果が低い症例に対し活性化葉酸による新規治療を計画中である。また現時点で既存の病型に該当しない症例については全エクソーム解析などで更に新規病型の発見とその病態の解明を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

最も研究資金を必要とする活性化葉酸を使用する症例がなかったため

次年度使用額の使用計画

平成29年度は活性化葉酸を使用する予定症例がある。活性化葉酸(ロイコボリン:ファイザー製薬)は薬価が25mgで2229.8円と高額で使用予定量は体重1kgあたり3-5mgである。仮に体重10kgの患者に投与すると30-50mg/日であり2675.76-4459.6円/日の費用が掛かる。投与日数を6ヵ月(180日)とすると481636.8-802728円/6ヵ月となりこれらの費用を当該科研費より負担する予定である。

備考

先天性GPI欠損症(IGD)のHPである。研究協力者の村上良子が作成したものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Phenotype-genotype correlations of PIGO deficiency with variable phenotypes from infantile lethality to mild learning difficulties.2017

    • 著者名/発表者名
      Tanigawa J, Mimatsu H, Mizuno S, Okamoto N, Fukushi D, Tominaga K, Kidokoro H, Muramatsu Y, Nishi E, Nakamura S, Motooka D, Nomura N, Hayasaka K, Niihori T, Aoki Y, Nabatame S, Hayakawa M, Natsume J, Ozono K, Kinoshita T, Wakamatsu N, Murakami Y
    • 雑誌名

      Human Mutation

      巻: 38 ページ: 805-815

    • DOI

      10.1002/humu.23219.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 持続する高ALP血症を契機に診断された先天性GPI欠損症の一男児例2017

    • 著者名/発表者名
      橋本泰佑 宮下恵実子 山本浩継 吉川真紀子 徳永康行 谷河純平 富永康仁 青天目信 岡本伸彦 茶山公祐
    • 学会等名
      第30回近畿小児科学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2017-03-12 – 2017-03-12
  • [学会発表] Clinical spectrum of PIGO mutations2016

    • 著者名/発表者名
      谷河純平 村上良子 富永康仁 青天目信 見松はるか 城所博之 早川昌弘 水野誠司 若松延昭 岡本伸彦 夏目淳 木下タロウ 大薗恵一
    • 学会等名
      第58回日本小児神経学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-06-03 – 2016-06-05
  • [備考] 先天性GPI欠損症(IGD)

    • URL

      http://igd.biken.osaka-u.ac.jp/healthcare-worker/research-team.html

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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