研究課題/領域番号 |
15K09620
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青天目 信 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30570072)
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研究分担者 |
富永 康仁 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (20599245)
岩谷 祥子 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教 (60724903)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | グルコーストランスポーター1欠損症 / 神経科学 / 小児神経学 / 先天代謝異常 |
研究実績の概要 |
この研究は、グルコーストランスポーター1欠損症に対して、未承認の試薬を用いた新規治療法を開発すること、新規診断法・輸送体活性測定法を開発することを目的としている。 前者については、臨床研究法案の制定により、モニタリング・監査を前提とした研究費の増大と、審査のための手続きの増加により、現行では事務手続きが困難になり、自然歴研究に目的を切り替えた。自然歴研究は、倫理委員会の審査を通り、患者の情報については、38名の患者について集積することができた。患者の重症度を発達指数や小脳運動失調の臨床尺度で数値化したところ、GLUT1の活性を反映する髄液糖の絶対値、髄液糖/血糖比と有意な相関を有することが判明した。また、遺伝子変異のタイプでは、ストップコドンやフレームシフト変異、スプライシングサイト変異など、蛋白が作られないタイプでは重症例が多く、アミノ酸置換を伴うのみのミスセンス変異では軽症例が多かった。こうした稀少疾患では、臨床的介入をする際に同等の重症度の患者を多数集めることが困難なため、介入前後での効果判定をするために、重症度を予測できる因子を知ることは重要である。今後、早期介入が可能であった乳児期診断例と幼児期以降に診断された症例で、臨床像に差があるかを検討する予定にしている。また、学会で、解析内容を深めて発表を繰り返して、論文を執筆中である。 後者については、RIを使わずに蛍光色素を用いた検査法を複数試みたが、感度が低く、再現性もなかったため、断念した。
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