本研究では、Pomc陽性ニューロン特異的にPtenを欠失させたコンディショナル・ノックアウトマウスを作製した。本マウスは生後8-9週目に全身けいれんを自然発症し、11週目までに全て死亡した。生化学、顕微鏡学的観察結果を通じて、本マウスの海馬歯状回は、年齢依存的に肥大・変形し、またけいれんに先立って海馬における興奮抑制およびCrh-Pomc (ACTH)バランスが破綻していることを明らかにした。ラパマイシンを使用するとけいれんの発症と早期死亡を抑制した。これらの結果から、PI3K-AKT-mTOR経路は、難治性てんかんに対する新しい治療標的となりうることが示唆された。
|