• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

先天性ゴナドトロピン分泌不全症男性の網羅的遺伝子解析と精子形成治療法選択への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15K09627
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

水野 晴夫  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70363942)

研究分担者 齋藤 伸治  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00281824)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードゴナドトロピン分泌低下症 / 性腺機能低下症
研究実績の概要

当初の予定通り、蓄積されていたi文書により同意を得られた40名については、すでに筆者らが行っているIon Torrent PGMによるターゲット遺伝子解析により、先天性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症として報告のある26遺伝子と、それに関連しうる遺伝子を含めた48遺伝子に限った網羅的遺伝子解析を行った。その結果、CHD7の変異を13名に認め、In silicoの解析による評価と、両親の解析から、病態の原因となる変異であることが示唆された。ANOS1の変異は、4種類の病原性があると予測された変異を持ち合わせていた。そのうち1例はスプライス部位の変異、明らかな小陰茎、嗅球同定不能であるのに対し、同変異を持つ兄は、すでに二次性徴が完成し、嗅覚の異常もなかった。既知の報告にも一致する結果であった。それ以外、WDR11、TACR3の変異を認め、in silicoの解析による評価では、病原性ありと評価したが、現在、両親の解析を施行中である。さらに、平成27年度においても症例の蓄積は続き、さらに新規患者が20名程度集積されている。
上記のターゲット遺伝子解析で異常が見つからなかった患者については、トリオ解析を前提に、TruSightOneシーケンスパネルを用い、MiSeqシステム(Illumina)でシーケンス反応を行う。本解析は4813遺伝子を対象とするため膨大な変異が拾えると考え、とりあえず、3家系で行ったが、病原性があると考えられる変異は検出できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Ion Torrent PGMによるターゲット遺伝子解析は、軌道に乗り、見つかった遺伝子の種類や、どのような遺伝子異常かを、必要に応じて両親の解析を追加、また、さらなる症例の集積も順調に進んでいる。ただし、ターゲット遺伝子解析で異常が見つからない症例の約半数をしめることが分かった。当初の予定では、TruSightOneシーケンスパネルをもう少し駆使して、未知の遺伝子を探していく試みを行う予定であったが、試薬の使用期限の問題などもあり、ある程度行う意義の高い症例、トリオで検体が採取できた症例に限ったため、3家系の解析にとどまることになった。

今後の研究の推進方策

これまでの解析は、Human Genome Mutation Database (HGMD,QIAGEN)、GenomeTrax(QIAGEN)に登録されたデータベースと比較,日本人のアレル頻度を考慮してin silicoでの変異機能予測を行い、病原性との関わりを予測してきたが、家族解析の結果、本当に病原性の有無の評価が正しくできているのかに疑問が残り、やはりin vitro、in vivoの機能解析が必要と考えられる症例も存在した。必要な症例に関しては、今後、さらなる詳細な機能解析を検討していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、Ion Torrent PGMによるターゲット遺伝子解析を行う実験に終始したため、比較的安価な試薬・消耗品を中心に使用したため、結果的に繰越額がでることとなった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度以降は、ターゲットシークエンスでMiSeqシステム(Illumina)でシーケンス反応による解析を進める、機能解析を行う、また必要に応じてBGIに外注するなど全エクソーム解析を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 思春期発来異常にどう対応するか?2016

    • 著者名/発表者名
      水野晴夫
    • 学会等名
      第7回信越・北関東小児内分泌セミナー
    • 発表場所
      チサンホテル宇都宮(宇都宮市)
    • 年月日
      2016-02-13 – 2016-02-13
    • 招待講演
  • [学会発表] 先天性低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に対する網羅的解析2015

    • 著者名/発表者名
      青山幸平, 水野晴夫, 田中達之, 齋藤伸治
    • 学会等名
      第49回日本小児内分泌学会学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-10-08 – 2015-10-10
  • [学会発表] The dose dependent effect of growth hormone therapy in patients with IGF-1 receptor haploinsufficiency due to heterozygous deletion.2015

    • 著者名/発表者名
      Mizuno H, Aoyama K, Tanaka T, Saitoh S
    • 学会等名
      54th Annual Meeting of the European Society for Paediatric Endocrinology
    • 発表場所
      Barcelona, Spain
    • 年月日
      2015-10-01 – 2015-10-03
    • 国際学会
  • [図書] 小児内科 特集小児科医が担う思春期医療 内分泌疾患2016

    • 著者名/発表者名
      水野晴夫
    • 総ページ数
      319-323
    • 出版者
      東京医学社
  • [図書] 小児内科【小児疾患診療のための病態生理2改訂第5版】Ⅳ. 内分泌疾患 体質性思春期遅発症2015

    • 著者名/発表者名
      水野晴夫
    • 総ページ数
      373-376
    • 出版者
      東京医学社

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi