好中球二次顆粒欠損症 (SGD) は、転写因子C/EBPεの異常により引き起こされる先天性免疫不全症である。我々は新規変異を有する世界第3例目のSGD成人例を報告した。本変異はロイシンジッパー領域に存在する2アミノ酸欠失のインフレーム変異であった。細胞内分布やDNA結合能は障害されないものの、他の転写因子との蛋白質間相互作用の減弱により転写活性化能が消失し、SGDを発症することが判明した。また患者好中球では、CD14などの単球マーカーが異常に発現していた。本研究によりC/EBPε遺伝子のロイシンジッパー領域の重要性、SGD発症の新たな分子メカニズムが明らかにされた。
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