研究実績の概要 |
マウス:遺伝子編集技術により、昨年度作成に成功したp53活性化マウス(c.1075_1076insC, p.Ser359GlnfsX20)の表現型の解析を行った。p53活性化マウス(ヘテロ体)では、末梢血で、白血球数が約50%に低下し、赤血球数も20-30%の低下がみられると同時に、MCV (平均赤血球容積)が10-20%増加し、大球性貧血のパターンを示した。Poly(I:C)の腹腔内投与を行うと、p53活性化マウスでは野生型と比べて、白血球数、赤血球数の低下が顕著であり、MCVもさらに増大した。血小板数は野生型では増加したのに対し、p53活性化マウスでは有意に低下した。MlethoCultを用いてマウス造血幹細胞のコロニーアッセイをおこなったところ、p53活性化マウスでは野生型と比較して、有意にCFU-E、BFU-Eの両者が著しく低下しており、造血幹細胞機能に異常が生じていることがあきらかになった。p53活性化マウスに、さらにXpd遺伝子変異を導入したダブルヘテロマウスも作成しているが、現時点ではXpd変異導入による相乗作用は観察されていない。 ゼブラフィッシュ:Xpd遺伝子改変ゼブラフィッシュ(c.510delTinsGGTAA, p.Pro171ValfsX16)のホモ体は受精後72時間の時点で小眼球症・小脳症を認めることを昨年度発見したが、組織学的検査とin situ hybridizationを行い、硝子体の発生過程に異常が生じていることを明らかにした。
|