研究課題
1. 日本人由来のB前駆細胞型ALL細胞株の72株を対象にした薬剤感受性におけるGWAS(genome-wide association study)解析において、imputationによって精度を高めた解析を行い、薬剤感受性との関連性が示唆されるSNPを抽出することができた。2. 日本人由来のB前駆細胞型ALL細胞株の72株を対象に行ったGWAS解析のためのSNP array解析の結果を二次利用し、各細胞株によるarray CGH解析によるdigital karyotypingを行った。その結果、TCRおよびIg遺伝子再構成に伴う欠失も検出できる高精度でゲノムの増幅・欠失をデータ・ベース化することが出来た。3. 次世代シーケンサーによってゲノムの変異解析を行った。このうち、代表的な予後不良因子であるTP53遺伝子変異において、MDM2阻害剤に対する感受性との関連性を確認し、薬剤感受性解析における細胞株バンクのモデル実験系としての有用性を明らかにすることができた。4. 薬剤感受性との関連性が示唆されたSNPを細胞遺伝学的に検証するために、CRISPR-Cas9を用いた相同組み換えによるゲノム編集技術を応用して、SNP型の組み換えを試みたが、成功しなかった。その背景として、白血病細胞株における相同組み換えのための遺伝子修復機構の破綻が考えられた。そこで、PARP1阻害剤に対する細胞株の感受性を指標に、相同組み換えのための遺伝子修復機構を機能的に評価したところ、相同組み換えに失敗した細胞株はいずれもPARP1阻害剤に高感受性であることが判明した。そこで、PARP1阻害剤に耐性を示し、相同組み換えのための遺伝子修復機構が機能的に保たれていると想定される細胞株を対象として、改めてゲノム編集技術による遺伝子への変異導入を試みたところ成功した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件)
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