研究課題
基盤研究(C)
川崎病発症後5年以内の25例[冠動脈瘤(CAL)あり10例(Group1), CALなし15例(Group2)], 健常対照25例(Group3)の合計50例において酸化ストレスと血管内皮機能との関連を評価した。これより川崎病発症後5年以内の小児において酸化ストレスは血管内皮障害と強く関連していることが示唆された。さらに急性期の有熱期間が長期化するほど酸化ストレス誘発(oxidative stress-induced)血管内皮障害のリスクが高くなることが示唆された。
小児循環器病学
動脈硬化の発症・進展には血管内皮障害、炎症、酸化ストレスの3者による悪循環が関与していると考えられている。しかし川崎病発症後の若年小児に関して炎症マーカーや酸化ストレスを評価・検討した報告はこれまでにない。現状では冠動脈病変が存在しなければ発症後5年で川崎病患者のフォローアップを終了する施設が多いが、本研究結果により川崎病発症後の動脈硬化に対するリスク層別化、予防戦略、管理方法ならびに治療戦略を創生するための基盤の確立が大いに期待される。