研究課題/領域番号 |
15K09659
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
望月 一弘 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30448633)
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研究分担者 |
佐野 秀樹 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20448632)
小林 正悟 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30566849)
菊田 敦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40224894)
橋本 浩一 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50322342)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 癌免疫療法 / 樹状細胞ワクチン療法 / Notchシグナル / Notch ligand Delta4 |
研究実績の概要 |
1)野生型B6マウスの大腿骨・脛骨・骨盤骨から骨髄単核球を比重遠心法にて分離し、マウスFlt3 ligand (50ng/ml)を添加した培養液にて9-10日間培養した後に、Toll like receptor アゴニストであるLPS (100ng/ml)及びR848 (100ng/ml) を加え刺激し、Notch ligand Delta4 を高発現した活性化樹状細胞(Dll4hiDC)を誘導した。 2)Dll4hiDCに腫瘍抗原であるgp100または腫瘍ライセートを添加し、腫瘍特異的な抗原提示を可能とした。 3)B6マウス由来の腫瘍細胞株であるE.G7, C1498, B16を野生型B6の側腹部に皮下接種し担癌マウスを作成した。 4)前年度の研究結果からDll4hiDCを応用した癌ワクチン療法による抗腫瘍免疫誘導には、腫瘍近傍への同ワクチン投与が効果的であることから、担癌マウスを作成した後、8-10日目に腫瘍近傍または腫瘍内への同ワクチン療法を実施した。ワクチン接種後に経時的に腫瘍径を測定し、同ワクチン療法の効果を検証した。 5)Dll4hiDCを応用した癌ワクチン療法による抗腫瘍免疫誘導のメカニズムを明らかにするため、同ワクチン接種後のマウス及びコントロールマウスから脾臓、所属リンパ節、腫瘍を摘出し、それぞれの組織からリンパ球を分離した。同リンパ球の分類・機能解析をフローサイトメーター等を使用して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス腫瘍モデルに関しては、高い再現性を持って抗腫瘍効果が得られるDll4hiDCワクチン療法を確立するのに時間を要したことから、同療法による抗腫瘍効果発現のメカニズム解析が未だ十分に出来ていないため。また、ヒトDll4hiDC誘導に関しては、これまでの研究からヒトDll4hiDCの存在は確認され、ヒトDll4hiDCがマウスDll4hiDCと機能的にも相同性を有し、高いT細胞活性可能を有することは確認されたが、細胞免疫療法に用いるに十分量のヒトDll4hiDC誘導法が未だ確立されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
1)マウス腫瘍モデル:坦癌モデルでの実験からDll4hiDCを応用した癌ワクチン療法の有用性が実証されたことから、現在は同ワクチン療法による効果発現のメカニズムを明らかにする実験に取り組んでいる。本メカニズムの解明はDll4hiDCによる抗腫瘍効果発現の機序を明らかにするのみでなく、癌細胞が宿主の免疫細胞から逃避して増殖するメカニズムの解明にもつながるものと期待される。 2)ヒトDll4hiDC誘導:ヒト造血幹細胞からヒトDll4hiDCを効率的に大量に誘導するための至適培養の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に予定していた実験の一部が次年度にずれた為。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度早々に、本年度末に予定していた実験を行う予定で、同実験に次年度使用額の予算を執行する予定です。
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