研究課題/領域番号 |
15K09665
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
加藤 政彦 東海大学, 医学部, 准教授 (30292593)
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研究分担者 |
林 泰秀 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (30238133)
山田 佳之 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (80309252)
望月 博之 東海大学, 医学部, 教授 (50270856)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 気管支喘息 / ウイルス感染 / グループ2自然リンパ球 / 好酸球 / マウス |
研究実績の概要 |
ウイルス感染は、気管支喘息 (喘息) の発症と増悪に関与している。また、好酸球および好中球は、種々の組織傷害性顆粒蛋白や活性酸素を放出し、喘息の病態に重要な役割を果たしている。一方、最近、新たな自然リンパ球としてグループ2細胞 (ILC2: innate lymphoid cell 2) が同定され、肺や消化管に発現し、IL-33やIL-25と直接反応し、IL-5やIL-13 を産生することから、好酸球の活性化を来すことが知られている。今回我々は、ウイルス感染喘息マウスモデルを用いて、ウイルス感染喘息の病態における自然免疫に重要であるILC2の役割と好酸球/好中球活性化機序を明らかにすることにより、新たな治療ターゲットを模索することを目的とした。今年度は、昨年度確立できたマウスの喘息モデルを用いて、Respiratory Syncytial (RS) ウイルス感染により、肺局所において好酸球性炎症が惹起されるか否かを検討した。方法は、マウスに卵白アルブミン (OVA) を腹腔に2週間隔にて反復感作させ (2.0mg/Kg)、さらに2週後、1%OVAを30分間 (3日間) 吸入暴露させた。同時にOVA吸入暴露の3日目にRSウイルス (RSV) (105 TCID50/25g body weight) を鼻腔より投与した。その3日後、各群 (対照群、RSV投与群、OVA投与群、OVA/RSV投与群) のマウスを挿管し、人工呼吸器管理下で種々のパラメーターを検討した。今年度は、肺組織を採取後、切片を作製し、さらに切片をH&E染色し、好酸球を中心とした炎症性細胞を病理学的に解析した。その結果、対照群に比べ、OVA投与群およびOVA/RSV投与群では、気道に明らかな好酸球浸潤を認めたことにより、RSウイルス感染喘息モデルおいて、肺の好酸球性炎症の存在が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、昨年度確立できた喘息マウスモデルにRSウイルスを感染させることにより、RSウイルス感染喘息モデルを作成できた。一方で、喘息の発症及び増悪にRSウイルスとともに重要であるライノウイルスの調整が進んでいないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
本学でライノウイルスの調整と感染モデルが作成記できない場合には、他施設との共同研究を進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の遂行状況により、予定していた一部の試薬等の購入を行わなかった為。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、実験に使用する消耗品等を購入する予定である。
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