研究課題/領域番号 |
15K09686
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
廣野 恵一 富山大学, 大学病院, 助教 (80456384)
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研究分担者 |
高崎 一朗 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 准教授 (00397176)
山本 誠士 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (10456361)
伊吹 圭二郎 富山大学, 大学病院, 助教 (20566096)
市田 蕗子 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (30223100)
小澤 綾佳 富山大学, 大学病院, 診療助手 (40596540)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 川崎病 / 血管内皮細胞 / 微少粒子 |
研究実績の概要 |
【研究の目的・動機】川崎病は全身の血管炎であり、特に冠動脈の血管内皮障害をきたし心機能障害を引き起こす。近年血管内皮細胞の障害により血管内皮細胞表面から遊離される血管微小粒子(endothelial microparticles(EMPs))が冠動脈疾患、糖尿病、慢性腎不全、高血圧などの心血管合併症を有する患者において上昇することが報告され、EMPsは細胞細胞間でmicroRNAなどの核酸物質を運搬する重要な役割があると見直されている。そこで川崎病の病態においてEMPsが情報伝達の役割を担い、血管炎および血管内皮細胞障害に重要な役割を果たしているのでないかと考えた。 【研究の方法および結果】①川崎病急性期患者のサンプルの採取とEMPs濃度の測定:対象は、免疫グロブリン大量療法(IVIG)が行われた川崎病患者とした。IVIGの反応性から2群に分類し、IVIG反応群は投与後48時間以内に解熱するものとした。発症から1ヶ月後において、心エコー上、Zscoreを用い冠動脈が+2SD以上拡張をきたす群を冠動脈病変群とした。患者の末梢血は、IVIG投与前、投与直後、発症2週間後、4週間後に採取した。川崎病急性期におけるEMPs濃度の測定を行い、炎症の程度と冠動脈病変の有無により相関があるか検討した。IVIG投与前、投与直後、発症2週間後、4週間後のEMPs濃度を測定し、冠動脈病変群と非冠動脈病変群の比較検討を行い血管炎の重症度とEMPsの相関を明らかにした。②マイクロアレイによるEMPsの同定:まず、採取した血漿を遠心し、そこからRNA isolation kitを使用しtotal RNAを抽出した。 続いて、単離したtotal RNAからmiRNAの遺伝子発現の解析を施行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の方法に述べたとおり、おおむね予定通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究の方法の後半部分である、iPS細胞を用いたin vitroの実験を行うが、共同研究者と十分に議論を重ねながら実験系を丁寧に施行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が当初の予定より遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後は患者由来iPS細胞による機能解析を行う。 具体的には、iPS細胞による分化能の評価、増殖能の評価、アポトーシスの評価、電気生理学的評価を行う予定である。
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