研究課題
【結果】①急性期川崎病におけるEMPsの推移:微粒子中に含まれるEMPsの割合は、IVIG治療前の川崎病患者において(1.27±0.16%、mean±SD)、コントロール(有熱者0.09±0.03%、健常人0.08±0.03%)に対し優位の増加を認めた(p<0.0001)。EMPs割合の最大値と左右の冠動脈径のZ scoreとの間に強い相関係数を認めた(右冠動脈:R=0.512,左冠動脈:R=0.488)。②特異的なmicroRNAの同定: CAL群において、Stage-1からStage-2で発現が2倍以上に変化し、かつStage-3で正常化した17種類のmicroRNAを特定した。各々がターゲットとする mRNAに対してコンピューター解析を行い、好中球の遊走に重要な炎症性サイトカインと最終的にG-CSFに影響する2種類のmicroRNA(hsa-miR-145-5p, hsa-miR-320a)が同定された。③microRNAのトランスフェクション実験:THP-1単球細胞に対して、この2種類のmicroRNAのトランスフェクションを行った。2種類のmicroRNA(hsa-miR-145-5p, hsa-miR-320a)をTHP-1細胞にトランスフェクションし、hsa-miR-320aはIL-18のmRNAを78%抑制し、hsa-miR-145-5pはIL-6のmRNAを54%抑制かつIL-18のmRNAを47%抑制することを証明した。【総括】血清中に含まれるEMPsは、川崎病患者を予測するだけでなく、血管内皮細胞障害や血管炎の重症度を反映しており、川崎病急性期におけるCAL形成を予測する鋭敏なバイオマーカーとなる。さらに、微小粒子内に含まれる特異的なmicroRNA(hsa-miR-145-5p, hsa-miR-320a)は炎症性サイトカインの遺伝子発現を調整し、川崎病の病因やCAL形成機序に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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JAMA Pediatr
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10.1001/jamapediatrics.2018.0030.
Sci Rep
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