現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Mut-NPR-Bを導入した肺動脈平滑筋細胞においては、細胞内cGMPは著増し(GFP, 0.00019±0.00011 pmol/l; WT, 0.038±0.029 pmol/ml; Mut, 2.5±0.58 pmol/ml)、細胞周期解析にて増殖能の低下を認めた(Edu陽性細胞の割合:GFP, 18±1.7%; WT, 12±2.3%; Mut, 8.5±1.0%)。一方、Apoptosisの増加は認めなかった。肺高血圧患者由来の肺動脈平滑筋細胞でも同様の結果を得た。 次に、SDラットに対してコントロールセンダイウイルスベクターを開胸下肺動脈内投与し、48時間後の肺組織を検討したところ、肺血管特異的にセンダイウイルスが導入されたことが確認できた。そこで、VEGF受容体拮抗薬と低酸素曝露により作成したSugen PAHモデルラットに開胸下肺動脈内投与で変異体ウイルスベクターを導入し、血行動態や組織学的な改善が見られるか検討を行った。Mut-NPR-B投与群では、コントロール、WT投与群と比較して、右室圧の低下、肺小動脈中膜肥厚の改善、肺細小動脈の閉塞率減少を認め、肺高血圧血管病変の抑制をin vivoで確認した。Mut-NPR-B群では肺小動脈平滑筋細胞でのPCNA陽性率は減少し、増殖抑制が関与していたことが示唆された。
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