• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症の発症メカニズムの解明および治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K09691
研究機関神戸大学

研究代表者

野津 寛大  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70362796)

研究分担者 飯島 一誠  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00240854)
庄野 朱美  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10535066)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症 / バーター症候群 / ギッテルマン症候群 / 次世代シークエンサー / ターゲットシークエンス / 遺伝性高カルシウム尿性低カルシウム血症 / 遺伝性クロル下痢症 / 嚢胞性線維症
研究実績の概要

1,日本人全患者における網羅的遺伝子解析:塩類喪失性尿細管機能異常症患者として、これまでに1型バーター症候群15例、2型バーター症候群5例、3型バーター症候群30例、ギッテルマン症候群患者145例において、遺伝学的に確定診断を行った。その一部のデータに関して報告を行った(Matsunoshita et al, Genet Med 2016. 松野下ら 日本腎臓学会 2015)。これまで海外からも例を見ない大規模なデータが蓄積されつつあり、今後、さらなる解析結果に関し論文報告を行う予定である。
2,既知の遺伝子に変異を有しない患者群における次世代シークエンサーを用いた新規遺伝子の同定:これらの疾患の遺伝子診断においては、これまで従来の直接シークエンス法による解析を行ってきたが、今回次世代シークエンサーを用いたターゲットシークエンス法による解析の導入を行った。それにより、従来の方法では1件体当たり一つの遺伝子の解析に約4万円を要したのに対し、本解析方法により、1件体当たり2万5千円で本疾患関連遺伝子すべてを網羅的に解析することが可能となった。
3.さらに次世代シークエンサーによる網羅的解析により、偽性バーター症候群を呈した遺伝性高カルシウム尿性低カルシウム血症の確定診断を行い、報告を行った(Kamiyoshi N et al. Clin Exp Nephrol)。その他、同じく偽性バーター症候群を呈する遺伝性クロル下痢症や嚢胞性線維症、遺伝性低マグネシウム血症、Dent病などの例の診断にも成功し、今後もさらなる報告を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次世代シークエンサーによる遺伝子診断法の導入により、安価に効率よく診断を行うことが可能となった。また偽性バーター症候群を発症する疾患を次々と明らかとすることに成功している。それにより、本疾患における新しい知見をさらに明らかとすることが可能である。

今後の研究の推進方策

今回偽性バーター症候群を呈するあらゆる疾患を見いだすことに成功したため、それらの疾患が本病態と類似する病態を呈する原因につき、基礎研究を含めて見いだす予定である。
さらに、かつてない大規模データが集まりつつあり、これらを論文報告することにより本疾患の認知度を高めることによりさらなるデータの集積を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Differential diagnosis of Bartter syndrome, Gitelman syndrome, and pseudo-Bartter/Gitelman syndrome based on clinical characteristics2016

    • 著者名/発表者名
      Matsunoshita N, Nozu K, Shono A, Nozu Y, Fu XJ, Morisada N, Kamiyoshi N, Ohtsubo H, Ninchoji T, Minamikawa S, Yamamura T, Nakanishi K, Yoshikawa N, Shima Y, Kaito H, Iijima K
    • 雑誌名

      Genetics in Medicine

      巻: 18 ページ: 180-188

    • DOI

      10.1038/gim.2015.56.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Pathogenesis of hypokalemia in autosomal dominant hypocalcemia type 1.2016

    • 著者名/発表者名
      Kamiyoshi N, Nozu K, Urahama Y, Matsunoshita N, Yamamura T, Minamikawa S, Ninchoji T, Morisada N, Nakanishi K, Kaito H, Iijima K.
    • 雑誌名

      Clin Exp Nephrol.

      巻: 20 ページ: 253-257

    • DOI

      10.1007/s10157-015-1160-9

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Bartter症候群、Gitelman症候群2015

    • 著者名/発表者名
      松野下夏樹 野津寛大 飯島一誠
    • 雑誌名

      日本腎臓学会誌

      巻: 57 ページ: 743-750

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bartter症候群・Gitelman症候群:遺伝性塩類喪失性尿細管機能異常症2015

    • 著者名/発表者名
      野津寛大
    • 雑誌名

      内科

      巻: 6 ページ: 1039

  • [図書] 12.Bartter症候群、Gitelman症候群2015

    • 著者名/発表者名
      野津寛大
    • 総ページ数
      629
    • 出版者
      医学書院

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi