研究実績の概要 |
1.日本人遺伝性尿細管機能異常症患者における網羅的遺伝子診断体制の継続:私たちはTarget sequenceにより、既知の遺伝性尿細管機能異常症の網羅的診断体制の確立を行なった。その結果、バーター症候群、ギッテルマン症候群41家系、デント病21家系、尿細管性アシドーシス5家系における遺伝子診断を行った。現在も毎月5-10検体の解析依頼を受けるに至っている。このように、日本国内における遺伝性尿細管機能異常症の診断を一手に引き受けるに至っている。また、診断の非常に難しい遺伝性低マグネシウム血症の診断フローチャートを作成報告を行った(Clin Exp Nephrol, 2017)。 2.遺伝性尿細管機能異常症において、原因遺伝子にCopy Number Variation (CNV)が存在する場合は、次世代シークエンサーでは検出できないとされていた。私たちは正常者と患者の次世代シークエンサーデータを比較するpair analysisを行うことにより、CNVの検出が可能であることを見いだし、報告を行った(Clin Exp Nephrol, 2018 in press)。 3.遺伝性尿細管機能異常症において、イントロン内の変異を検出し、そのpathogenicityが不明で有った場合、minigeneを作成し、培養細胞にtransfectし、mRNAを回収することにより、イントロン内変異がsplicingに影響を与えるかどうかを調べる機能解析系を確立した。それにより、検出したイントロン内変異のpathogenicityを検索することが可能となった(BMC Nephrol 2017, Eur J Med Genet. 2017)。
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