本研究の目的は、IgA腎症の複数の基本的病態生理におけるマイクロRNA (miRNA)の関与とその機序を解明である。凍結保存されている腎生検検体からmicro RNAを抽出し、マイクロアレイを実施した。その解析の結果、2つのmicro RNAが、重症IgA腎症の検体で有意に減少していた。また、1つのmicro RNAが、重症IgA腎症の検体で有意に増加していた。その他のmicro RNAも、重症IgA腎症と微小糸球体変化で差を認めた。また尿検体の解析結果からmicro RNAは、非侵襲的に予後を予測するバイオマーカーとして利用できる可能性がある。
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