研究課題/領域番号 |
15K09702
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
中村 常之 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (40340004)
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研究分担者 |
秋田 千里 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20440513) [辞退]
鮎澤 衛 日本大学, 医学部, 准教授 (40287610)
小栗 真人 金沢医科大学, 医学部, 助教 (80534586)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 川崎病性血管障害 / Windkessel機能 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、川崎病罹患小児の動脈硬化性変化を包括的(複数の方法)および長期継続的(少なくとも3年以上)に観察し、川崎病性動脈硬化の発生機構を解明して、小児期から進行する動脈硬化の治療応用へと展開するための基盤を確立することである。具体的な研究項目は、①頸動脈でのWindkessel機能の解析、②橈骨動脈での動脈反射圧波の解析、③これらの経時的観察、の3つである。さらに研究実施計画として、研究期間内(3年間)に以下の解析を行う予定を立てた。①冠動脈瘤を有する川崎病症例の超音波動画集積、Augmentation index (AI)検査、画像解析による動脈硬化性変化の検証②抗がん剤投与による血管障害が明らかな小児がん症例(陽性対照)および正常小児(陰性対照)の超音波動画集積、AI検査、画像解析をすることで、川崎病による動脈硬化性変化の特性を解明③Windkessel機能パラメータとAIパラメータの統計学的な相関解析により、動脈反射圧波の影響を検証上記データの経時的変化を追跡・検証することで、川崎病性動脈硬化は加齢的な変化に比べ早期に進行すること、さらに川崎病性血管障害のメインは末梢動脈硬化であることを証明する。これらの計画を受けて、初年度、川崎病患者87名および健康児77名のデータを収集し、Windkessel機能パラメータとAIパラメータの解析を行った。両パラメータともに川崎病性血管障害を鋭敏に捉えていたが、Windkessel機能パラメータがより鋭敏に捉えていることがわかった。これらの結果を平成27年度は2つの国内学会および国際ミーティングにて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
川崎病冠動脈瘤における症例の集積が遅れている以外は、概ね順調に進捗していると思われる。次年度以降は、この冠動脈瘤症例の集積に力を入れていく方針である。
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今後の研究の推進方策 |
川崎病冠動脈瘤症例のデータ集積に関して 1)日本大学小児科板橋病院(共同研究病院)に受診の際には極力訪問し、データ収集を漏らさず行うようにするつもりである。 2)他病院への訪問を行い、共同研究病院および金沢医科大学病院への患者紹介を行う 3)現在中国のTongi Medical College(Wuhan, China)との共同研究の提携進行中であり、多く川崎病冠動脈瘤症例を抱える同病院に協力をあおぐ予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年American Heart Association(AHA)へ参加予定であったが、同時期に中華民国からの招聘講演の依頼があり(Tsuneyuki Nakamura: Arterial dysfunction in pediatric patients with chronic illnesses,The 6th Joint Scientific Meeting Between HUST-TMC and KMU, Friday,November 13, 2015 in Tongi Medical College, Wuhan, China)参加が出来なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度米国のAmerican Heart Association(AHA)・American College of Cardiology(ACC)とヨーロッパのEuropean Society of Cardiology(ESC)に演題を投稿し、発表予定である。
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