研究課題/領域番号 |
15K09703
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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研究分担者 |
瀧谷 公隆 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80319540)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脂肪性肝疾患 / ビタミン / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
近年、小児肥満が高頻度で出現しており、生活習慣病の温床となる。さらに小児の非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD; non-alcoholic fatty liver disease)およびそのひとつである非アルコール性脂肪肝炎(NASH; nonalcoholic steatohepatitis)の報告もある。成人NASHに対しては、ビタミンEの抗酸化療法が報告されている。我々は、小児NAFLDの臨床像を明らかにし、基礎的研究ではNAFLD治療のビタミンE作用メカニズムを検討してきた(J Clin Biochem Nutr, 2014)。そこで今回、NASHの治療過程において、新しい酸化ストレスマーカーの有用性および抗酸化剤の作用メカニズムについても検討する。NASHの治療法として、ビタミンEが有用である。そこで我々は生体においてビタミンE濃度を調節する因子を検討した。動物実験の結果では、ステロイド前駆体であるDHEA(dehydroepiandrosterone)が、抗酸化作用を有し、ビタミンE濃度を調節することを見いだした (J Clin Biochem Nutr, 2016)。またDHEAのビタミンE濃度調節には、ビタミンE輸送たんぱく質の発現が関与していた。以上からステロイドホルモンおよび脂溶性ビタミンの新しい相互作用を認め、抗酸化作用に関与していることが考えられた。また、他のビタミンE調節因子を検討し、NAFLDモデルへの効果および酸化ストレス評価法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題においては、動物実験と臨床研究を同時並行している。動物実験においては、予定通りの進行状況である。以前の研究から、非アルコール性脂肪性肝疾患モデルにおいて、ビタミンE濃度調節は、肝臓細胞質に存在するビタミンE輸送タンパク質の発現調節が大きく関与していることが判明した(J Clin Biochem Nutr, 2014)。そこで、ビタミンE輸送タンパク質の発現を調節する因子を検討したところ、ステロイド前駆体であるDHEA(dehydroepiandrosterone)が、抗酸化作用を有し、ビタミンE濃度を調節することを見いだした (J Clin Biochem Nutr, 2016)。またDHEAのビタミンE濃度調節には、ビタミンE輸送たんぱく質の発現が関与していた。以上からステロイドホルモンおよび脂溶性ビタミンの新しい相互作用を認め、抗酸化作用に関与していることが考えられた。また、他のビタミンE調節因子を検討し、NAFLDモデルへの効果および酸化ストレス評価法を検討している。なお臨床研究については、患者群を集積し、今後臨床データ(含酸化ストレスの病態評価)および肝臓組織との相関を解析する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1)脂肪肝疾患モデルラットにおける抗酸化物質の効果に関する研究 脂肪性肝疾患において、さらな抗酸化剤の作用メカニズムを解析する予定である。特にビタミンE濃度調節因子の検討について、動物実験を用いてさらに推進する。さらにNAFLDモデルへの効果および酸化ストレス評価法を検討している。
2)小児脂肪性肝疾患に関する研究 現在、患者を集積し、データを解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験において、既存の試薬を用いることで、残額が生じた。次年度の実験試薬代に充当する予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額(131,530円)は、分子細胞生物実験の試薬代およびプラスチック製品代に充当する予定である。
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