研究課題
母乳性黄疸の安全な管理のため母乳性黄疸症例のビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の解析を行いUGT1A1の変異を多数同定した。新規の変異を同定したため、母乳性黄疸の発症メカニズムの解明のため培養細胞を用いた発言実験を進めてゆく。症例解析の結果より母乳性黄疸を起こす主要な原因はp.G71R多型であった。このことより東アジアに特有の多型で、東アジアに新生児期の黄疸が多い原因であることを明らかにした。また、p.G71R多型はGilbert症候群の原因でもあった(Maruo Y. J Pediatr 2016)。低出生体重児でもp.G71Rは母乳性黄疸の原因であった(Yanagi T. J Pediatr 2017)。さらに超早産児においてはp.G71Rが核黄疸の危険因子であることがわかった(Yanagi T. 投稿中)。特に、超早産児においては近年核黄疸が増加していることが新生児医療において問題となっている。p.G71Rを危険因子の指標として超早産児の黄疸(高ビリルビン血症)管理を行えば、核黄疸の発症を予防できると考えられた。この結果をもとにAMED奥村班において「早産児核黄疸の総括的診療ガイドラインの作成」(課題ID:17824886)に取り組んでいる。カリフォルニア大学サンディゴ校,Tukey教授との共同研究でp.G71Rヒト化UGT1Aマウスを作成した。このマウスは新生児期より黄疸をきたし、また終生軽度の高ビリルビン血症をきたすため新生児黄疸、母乳性黄疸およびGilbert症候群のモデルになることを確認できた。日本国内に導入し、母乳性黄疸の安全な管理法の確立に使用する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
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