健常人由来iPS細胞をSFEBq法によって神経系外胚葉に分化誘導し、浮遊培養をし続け神経凝集体を得た。神経系細胞マーカーの推移から、この神経凝集体が大脳皮質の発生を模倣することを確認した。この胎児脳モデルにIL-6を24時間暴露したところ、リン酸化STAT3が増加し、10日後に対象と比較してアストロサイトが増加し、神経細胞が減少した。ルテオリンの同時添加は濃度依存的にSTAT3のリン酸化を阻害し、IL-6による神経分化障害を抑制した。本研究で用いた神経分化系は、胎内環境による胎児脳障害の病態解析・治療探索に有用と考えられた。
|