研究課題/領域番号 |
15K09722
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
石黒 秋生 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20372906)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 組織循環 / 末梢循環 / 脳循環 / 脳室内出血 |
研究実績の概要 |
極低出生体重児および循環不全を発症した新生児を対象として、近赤外線分光法による脳循環評価、心エコー法による心機能および心拍出量評価、レーザードップラー血流量計を用いた末梢循環評価を行い、現在も症例を蓄積中であるが、平成29年度は、これまでに収集された情報、データの一部を用いて成果の報告を行った。 2017年5月に、Pediatric Acadeimc Societies Annual Meeting (PAS 2017)にて、末梢循環と体循環との関連について(題名:Can low systemic blood flow be detected in real time in very-low-birth weight infants?)、組織循環指標による循環作動薬効果判定について(題名:How can we determine the therapeutic effects of dobutamine in preterm infants?)それぞれ成果発表を行った。多数の学会参加者から質問を頂き、有意義な討議を行った。10月に開催された第62回日本新生児成育医学会において、本研究課題に関連したシンポジウム「早産児循環不全に対するテーラーメイド循環管理」を企画し、同分野で著明なDr. Nooriを海外から招聘して討議を行った。研究代表者は組織循環指標を用いた新生児循環管理の可能性について講演した。また、組織循環と早産児の中枢神経系合併症の一つである脳室内出血との関連について、本研究課題に関するこれまでの成果に文献的な考察を加えてレビューを行い、2017年7月に欧文雑誌に掲載された。 学会発表、論文発表いずれも本研究課題について、国際的な批評を受けることが出来て本研究遂行に有意義であったと考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の主要なテーマの一つとして、臨床試験“極低出生体重児の脳室内出血に対する血圧指標型循環管理と血流量指標型循環管理の有効性に関する非盲検ランダム化並行群間比較試験”を継続中である。計画では本来5月までに440症例登録を予定していたが、2018年3月末時点で310例となっている。本研究課題に関する主要な成果公表は、統計学者と相談の上、本試験終了後としているため、本年度に行う予定であった成果公表は翌年度になる見通しである。
|
今後の研究の推進方策 |
現在施行中のランダム化比較試験を遂行する。研究対象者の登録について、研究協力者都合(多忙、研究説明忘れ)などによる取りこぼしがないように注意する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究遂行がやや遅れており国際学会への参加が次年度にずれ込んだため、主に旅費未使用分が次年度使用額に含まれている。次年度(2018年度)に国際学会への参加を予定しており、旅費等での使用を計画している。
|