研究課題/領域番号 |
15K09722
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
石黒 秋生 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20372906)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 組織循環 / 末梢循環 / 脳組織循環 / ランダム化比較試験 |
研究実績の概要 |
主要目標であるランダム化比較試験「極低出生体重児の脳室内出血に対する血圧指標型循環管理と血流量指標型循環管理の有効性と安全性に関する非盲検ランダム化並行群間比較試験」(UMIN試験ID:UMIN000013296)の目標登録数440のうち、378症例まで登録が終了した。予定より遅れはあるが、本年度中に試験が終了できる見込みである。本試験は、新生児領域における、血圧以外の客観的指標を用いた循環管理法の有効性を検討する、世界的にも初の試みである。試験終了後、速やかに研究結果を報告できるよう、現在準備を進めている。また、本研究結果を踏まえて、多施設共同試験を開始の準備を進めている。 出生前母体ステロイド投与は、早産児脳室内出血を減少させ予後改善に寄与するが、そのメカニズムは明らかではなかった。平成30年度の研究として、出生前母体ステロイドの新生児循環に対する効果を脳組織循環、末梢循環同時測定により検討したところ、末梢血管抵抗上昇により脳組織循環が安定するメカニズムが示唆された。本研究成果は、アメリカ小児科学会学術集会(PAS meeting 2019)において成果を報告した。今後論文化の予定である。 その他、本研究においてこれまでに得られた知見をもととして、第42回神奈川県新生児研究会での招待講演、第63回日本新生児成育医学会のシンポジウム「周産期循環管理のこれまで・これから」においてシンポジストとしての発表を行った。さらに、同内容について、雑誌Neonatal Careからの依頼で「新生児の循環器疾患・超早産児の循環不全」についての原稿を執筆し、また日本新生児成育医学会からの依頼により総説を投稿し受理されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題のメインテーマである「極低出生体重児の脳室内出血に対する血圧指標型循環管理と血流量指標型循環管理の有効性と安全性に関する非盲検ランダム化並行群間比較試験」の進捗が遅れている。近隣の新生児医療体制が劇的に変化し、対象症例入院が減少(約8割程度)したことが主な理由と考えられる。しかしながら、現在目標症例440例に対して378症例まで症例が登録済みであり、現状においても平成31年度には終了可能な見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
上記ランダム化比較試験は平成31年度中に終了を目指す。研究の遅れがあるため、終了後速やかに成果報告が出来るよう、現在同試験と並行して、可能な範囲で成果報告の準備を行っている。 また、本年度までに得られたその他の成果について、学会報告を行ったものを中心に論文化をすすめている。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在進行中のランダム化比較試験の進捗に遅滞があり、本研究に使用する経費が持ち越しとなりました。一年の期間延長が受理されましたので、本年度に使用の予定です。
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