早産には子宮内感染が関与しているが、妊娠週数に反比例して絨毛膜羊膜炎の頻度が減少するので、多くの早産(とくに34-36週)は原因不明に分類されることになる。研究では子宮内感染によらない早産の解明を目的にフローサイトメトリー法による胎盤組織内の免疫細胞群の量的・質的な分析を行った。早産の対照には予定帝切事例を設けた。結果、早産胎盤ではTh1型の樹状細胞が増加し、絨毛膜羊膜炎ありの場合はNK細胞、なしではNKT細胞が有意となる集積パターンの差を観察した。CD8陽性およびCD4陽性T細胞には有意差はなかった。以上より、NKT細胞を中心とする自然免疫反応が原因不明の早産発来に関与している可能性がある。
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