研究課題/領域番号 |
15K09735
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
豊島 勝昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), その他部局等, その他 (50307542)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 新生児 / 早産児 / 動脈管開存症 / 心エコー検査 / 左房容積 |
研究実績の概要 |
早産児の予後改善に重要な病態である未熟児動脈管開存症の診断と重症度評価の質向上を目指した研究である。データセンターを国立成育医療研究センターに設置して全国35の周産期医療施設の多施設共同研究として開始されている。多施設共同研究に先立って心エコー検査の検者間誤差を確認したため、心エコー検査の精度管理のための研修を受けた上で研究を開始した。2016年3月26日の時点で164名の症例登録があり、2016年度中に目標症例数の500名に達し、結果の解析にうつる見込みである。本邦の新生児医療の心エコー検査の標準化と質向上につながる研究の進捗状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多施設共同研究としてデータを収集する前段階として検者間差異を確認したところ、予想以上に検者間誤差が大きい参加施設が存在したため、心エコー検査の精度管理のための研修・誤差の改善などを確認した上で研究を各施設参加開始とした。研究の質を向上するためには必須の過程と判断した。そのため、研究開始が2015年6月1日の予定から2015年10月6日と4ヶ月遅延した。しかし、研究開始後は順調に症例登録があり2016年度中に目標症例数を達成できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
多施設共同で症例登録を継続する。参加施設では退職や入職により心エコー検査の施行者が変化するため、研究に参加する上で研修や精度管理をその都度行う。目標症例数の半数に達したら中間解析を行い、測定結果が極端に分布からはずれている施設には超音波検査法の実施方法を含む施設訪問モニタリングを行い、超音波検査法の精度について検証を行う。目標症例数に到達したら、最終解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
同一静止画像を用いて測定検者の精度管理を施行したところ、予想以上の検者間の測定誤差が明らかとなった。このため、さらなる測定方法についての統一が必要と考えられ、データ収集開始前に心エコー検査の精度管理の研修、精度管理の追加などをいれた。そのため研究開始が遅れたため、データセンター運営費が見込みより少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
既に症例登録が開始され、登録数の増加は良好である。繰り越された予算は、データセンターの運営費や、困難を有する参加施設への監査や講習会開催、症例登録の支援などに充足する。
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