これまでにCaveolin1の発現抑制によって分裂方向が異常になること、Caveolin1の局在位置が分裂方向とよく一致することを見出している。以前の分裂方向を制御する因子の網羅的解析によりAK2及びPank2が制御因子の候補として見出された。これらの遺伝子AK2、Pank2の発現抑制によって、Caveolin1の局在の偏りがコントロールに比べてブロードになることが見出された。分裂期のCaveolin1の局在位置の細胞膜を電子顕微鏡で観察したところ、間期細胞のカベオラ様の構造物が観察されたことから、分裂期の細胞膜には脂質の偏りがあり、AK2、Pank2が脂質の生合成を通じて脂質の偏りに関与している可能性が見出された。AK2、Pank2を発現抑制した際の脂質の偏りをカベオラの細胞外側の膜に局在するスフィンゴミエリンに特異的結合を示すライソニンを用いて検出を行ったが、顕著な差は見られなかった。
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