研究課題/領域番号 |
15K09743
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
新原 寛之 島根大学, 医学部, 講師 (60362935)
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研究分担者 |
河野 邦江 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (20432619)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 急性発疹症 / ウィルス / LAMP法 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、LAMP法(Loop-mediated isothermal amplification method) を用いて急性皮膚発疹症の分子遺伝学的診断法の診断体制の確立を試み、その実用可能性を検証する事である。本年度までに急性皮膚発疹症患者より288個の臨床検体(組織:127検体、血液:9検体、スワブ:152検体)を収集し得た。対象の急性皮膚発疹症は、単純ヘルペス1,2、帯状疱疹、伝染性単核球症、サイトメガロウイルス感染症、HHV-6、伝染性紅斑、重症熱性血小板減少症候群、手足口病等とし、疑いのある患者を対象とした病原体遺伝子診断体制(DNA・RNA抽出体制、プライマー類の準備)を整えた。採取された臨床検体は、LAMP法を用いて、疑いの感染症の病原体遺伝子の検出を試み、臨床の場で診断補助として用いられた。結果、142検体で陽性所見が得られた。一連の活動を通して、本研究の目的である、急性皮膚発疹症の分子遺伝学的診断法の診断体制を確立し得、また、診断体制の実用可能性の検証を行う事が出来た。これらの成果から得られた知見は、学会発表や論文報告などを行う事により社会還元を行った。以上の研究成果を基盤として、次年度の研究活動においては、研究成果の取りまとめを実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度実施する予定であった研究内容について、当初の予定通りの成果を得た。したがって、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、得られた研究成果を基に、日常臨床に役立つ診断体制を定着させることを目的とし、研究の総括を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の成果により、病原体遺伝子の検出による急性皮膚発疹症のエビデンスが得られた。次年度は、本研究成果に基づいた診断体制が臨床現場に定着するように、環境整備を行うことと、それを含めた研究の総括を行うことを目的として、研究費を活用する。
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