アトピー性皮膚炎の病態について、表皮のバリア形成異常や炎症性サイトカイン産生過剰などについて明らかになってきた。我々はこれまで皮膚における活性酸素の生理学的・病理学的役割について基礎・臨床研究を行ってきた。アトピー性皮膚炎患者尿中の活性酸素代謝物が増加していること、アトピー性皮膚炎モデルマウスにおいて活性酸素が表皮バリア機構を形成する細胞接着因子の発現を調節すること、抗酸化剤アセチルシステインがAD患者の皮膚バリア機構を改善することなどを報告している。そして、これら皮膚の活性酸素発生にはマクロファージが最も重要な役割を果たしていることが今回の研究でわかってきた。
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