研究課題
エピプラキンはヒトではBドメイン構造が13個、マウスでは16個、直列に繰り返し配列すると報告されていた(Fujiwara 2001, Spazierer 2003)。そこで、long PCRの技術を用いてエピプラキン遺伝子の長さを測定すると、ヒト培養細胞株では、繰り返し構造が13個というデータが正しいと結論づけられた(未発表)。しかし12名のヒトの遺伝子を解析したところ、C末端側の規則的な繰り返し構造部分に、数の多様性が見られることが明らかになった(未発表)。この多様性が、疾患と関連があるのではないかとの仮説を立て、本研究を行った。一方アトピー性皮膚炎の原因の一つにフィラグリン遺伝子異常が知られているが、エピプラキンは表皮内局在こそフィラグリンと異なるものの、分子構造が類似している。また3次元培養下でのHeLa細胞塊の外側の細胞層に、エピプラキンは、タイト・ジャンクションとともに局在している。タイト・ジャンクションは、近年バリア機能との密接な関係が示唆されている(Kubo A,et al. J Exp Med. 2009)。そこで、エピプラキンの遺伝子の多様性を、正常人とアトピー性皮膚炎について調べることにした。またリピート数の多様性は、いかに遺伝するのか、あるいは減数分裂時に組み換えが生じるのかを、両親とその子の遺伝子で明らかにしようとした。正常人11人とアトピー性皮膚炎9人について、エピプラキンの遺伝子の長さを比較したところ、サイズの分布の片よりは見られなかった。親と子の3組の解析では、親のリピート数を子は受け継いでいた。
3: やや遅れている
当初の目的には、アトピー性皮膚炎の他に、水疱症、角化症、皮脂欠乏性皮膚炎、乾癬患者と皮膚腫瘍患者を含めていたが、それらの患者のDNAはまだ集められていないため。
上記疾患のDNAを収集する。アトピー性皮膚炎患者の生検組織が得られたら、その一部で表皮抽出物のウエスタンブロットを行い、エピプラキンサイズの変化を検討する。さらにエピプラキンエピプラキン遺伝子のシークエンスを行い、サイズが短縮するような変異の有無を検討する。
当初の目的には、アトピー性皮膚炎の他に、水疱症、角化症、皮脂欠乏性皮膚炎、乾癬患者と皮膚腫瘍患者を含めていたが、それらの患者のDNAはまだ集められておらずその予算分として本年度未使用分が生じた
今後も当初の計画通りDNA収集に対しての予算として使用する予定である
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
J Invest Dermatol.
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