研究課題/領域番号 |
15K09757
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
沖山 奈緒子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10581308)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ランゲルハンス細胞 / 自己免疫 / 苔癬反応 / 細胞傷害性T細胞 |
研究実績の概要 |
ヒトKeratin14プロモーター下に卵白アルブミン(OVA)遺伝子を連結した遺伝子断片を挿入したトランスジェニック(Tg)マウスは、表皮角化細胞にOVAを発現する (K14-mOVA Tgマウス)。このをレシピエントとし、OT-IマウスをドナーとしてOVA特異的T細胞受容体 (TCR)-Tg CD8 T細胞であるOT-I細胞を1 × 106個、経静脈的に移入すると、4日後より移植片対宿主病様に体重減少とびらんを伴う皮膚粘膜疾患を発症し、皮膚病理組織学的には液状変性を伴う苔癬反応を認める。ランゲルハンス細胞マーカーのLangerinにジフテリア毒素受容体を連結した遺伝子を挿入したTgマウス(Langerin-DTRマウス)とK14-mOVA Tgマウスを掛け合わせ、Langerin-DTR/K14-mOVA Tgマウスを作成し、シフテリア毒素を投与すると、ランゲルハンス細胞を欠損するが、このマウスへOT-I細胞移入を行うと、皮膚粘膜症状は悪化した。また、OT-I細胞をOVA CD8 エピトープペプチド提示細胞で刺激すると顕著な増殖反応を呈するが、この疾患モデルの皮膚をトリプシン処理して回収した表皮細胞から磁気細胞分離法Epidermal Langerhans cell Microbeads kit (Milltenyi Biotec)でランゲルハンス細胞を採取して、上述のOT-I細胞増殖系に加えると、この増殖反応を抑制することが分かった。つまり、ランゲルハンス細胞は、皮膚組織局所にて自己反応性CD8 T細胞の増殖を抑えることを介し、苔癬反応において疾患抑制的働きを持つことが明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ランゲルハンス細胞がCD8 T細胞が自己抗原反応性増殖を抑制する分子機構を解明する。
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