研究課題/領域番号 |
15K09760
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
並木 剛 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (50401352)
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研究分担者 |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 悪性黒色腫 |
研究実績の概要 |
本研究課題の進捗状況は概ね良好であり、平成27年度に予定していた1.NUAK2とPI3K pathway活性化の検討、2.NUAK2の下流シグナル伝達路の解析の2計画分を大部分達成できている。 1.以前の研究成果にて、NIH Array-CGH public databaseの解析からNUAK2と強い相関(P=0.0004)を持つ遺伝子としてPTENが特定されているが、今回のその下流シグナル伝達路であるPI3K pathwayの活性化をp-AKT(S473)の発現をみることにより解析した。56例の末端黒子型悪性黒色腫原発巣と35例の表在拡大型悪性黒色腫原発巣にて検討したところ、 カプランマイヤー法による解析にて末端黒子型悪性黒色腫ではNUAK2およびp-AKT(S473)の双方を発現する例ではそうでない例にくらべて予後が悪く、P=0.002と強い有意差を示していた。それに対し、表在拡大型悪性黒色腫では特には有意差を認めなかった(P=0.721)。 2.臨床検体を用いた解析よりPI3K pathwayとNUAK2が協調して腫瘍化に働いている可能性が示されたため、悪性黒色腫細胞株を使用してNUAK2とPI3K pahtwayのシグナル伝達路の詳細な解析の検討を行った。方法としてshRNAを用いたNUAK2のknockdownと薬剤(Ly294002)を使用し、NUAK2とPI3K pathwayを個別または同時に阻害しFACSとウェスタンブロットを用いて解析を行った。これによりNUAK2のknockdownだけでなくPI3K pathway阻害によっても悪性黒色腫細胞株にてCDK2を介した細胞周期の制御が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に平成27年度に達成する予定であった、1.NUAK2とPI3K pathway活性化の検討、2.NUAK2の下流シグナル伝達路の解析の2計画がほぼ予定通りに終了してきているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も予定通りに当初の計画に準じて進めていく予定である。
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