研究課題
本研究課題の進捗状況は概ね良好であり、平成28年度から29年度に予定していた3.アポトーシス・細胞遊走能・細胞浸潤能の検討、4.NUAK2の下流シグナル伝達路を阻害する薬剤の特定、5.悪性黒色腫の各組織型のNUAK2発現の検討 の3計画分の大部分を達成できている。3.NUAK2とPTENの増幅・欠失が異なる悪性黒色腫細胞株を数種類用いてin vitroにてアポトーシス・細胞遊走能・細胞浸潤能について検討を行った。アポトーシスでは同じNUAK2増幅のあるC32とSM2-1にて異なる結果が得られ、細胞株の発症部位やNUAK2以外の遺伝子異常に関わる差によりアポトーシス能に差を生じる可能性につき示唆された。少なくともC32についてはNUAK2のノックダウンによるアポトーシスは軽度であり、Annexin assayだけではなくCaspaseの解析からも同様の結果が示唆された。細胞遊走能についてはscratch assay・Matrigel assayともに有意な結果が得られた。4.NUAK2の下流シグナル伝達路に関する薬剤につきさらに検討を進めた。2種類の薬剤につき細胞増殖抑制能を調べ有意な抑制効果が得られた。今後これらの抑制効果につきNUAK2以下の下流シグナル伝達路の動きを含めて検討を加えていく予定である。5.NUAK2の発現をさらに粘膜型悪性黒色腫にまで拡張して検討とした。粘膜型悪性黒色腫でNUAK2の高い発現を確認とし、粘膜型悪性黒色腫の各部位における発現の差などについても検討を加えた。さらに良性の母斑についても検討を進めている最中である。
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