光発癌におけるD-dopachrome tautomerase(D-DT)の機能解明を検討した.D-DT過剰発現(Tg)マウスおよびWT(C57BL/6)マウスの背部皮膚に紫外線照射して光発癌を発症したマウスの皮膚を組織学的に調べた結果,TgマウスではWTマウスよりもp53の産生が減少しており,腫瘍は早期に増大した.また,in vitro実験系におけるフローサイトメトリーを用いた解析ではWTマウスに比べTgマウスの培養細胞で紫外線照射によるアポトーシスが有意に減少した.以上の結果から,D-DTはp53を抑制する系を介してアポトーシスを抑制することで光発癌を促進することが示唆された.
|