研究課題/領域番号 |
15K09768
|
研究機関 | 大阪大谷大学 |
研究代表者 |
米田 耕造 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (60260626)
|
研究分担者 |
窪田 泰夫 香川大学, 医学部, 教授 (10126047)
中井 浩三 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (40363204)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | コネキシン26 / GJB2 |
研究実績の概要 |
掌蹠角化症のモデル細胞を作成するために下記のような実験をおこなった。 ヒト肝臓cDNAライブラリーより、ヒトコネキシン26cDNAをクローニングした。ヒトコネキシン26cDNAに、p.Asp66Hisアミノ酸変異を導入した。HaCaT細胞にこの変異cDNAをトランスフェクションして安定トランスフォーマントを得た。この細胞株を掌蹠角化症のモデル細胞とした。コントロール細胞株として、変異が入っていないヒトコネキシン26cDNAをトランスフェクションして得られた安定トランスフォーマントを使用することにした。まず、BrdUの取り込みを見ることと実際の増殖しつつある細胞数をカウントすることにより、安定トランスフォーマントの増殖様式を観察した。掌蹠角化症モデル細胞では、コントロール細胞株に比較して細胞のBrdUの取り込みが顕著に亢進していた。増殖しつつある細胞数をカウントしたところ、掌蹠角化症モデル細胞では、増殖速度の促進が観察された。掌蹠角化症モデル細胞において、ギャップ結合の能力に欠陥があるかどうかの判定にはDye transfer assayを用いた。結果的に、われわれが作成した掌蹠角化症モデル細胞では、ギャップ結合の能力に欠陥があることが判明した。また、ERK1/2とMEK1/2のリン酸化の程度も検討したところ、掌蹠角化症モデル細胞において亢進していることが分かった。その亢進の度合いであるが、約10倍であった。われわれの作成したこの安定トランスフォーマントは、掌蹠角化症モデル細胞として使用できることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
米田耕造が、平成28年4月に、大阪大谷大学に異動になった。そのため、進捗状況がやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、掌蹠角化症モデル細胞におけるシグナル伝達の異常とサイトカイン産生を詳細に調べる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が香川大学医学部から大阪大谷大学薬学部に異動になったため、実験の遂行量が少し低下して、次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額を使用して、サイトカインのELISA測定キットを購入する予定である。そして掌蹠角化症モデル細胞では、サイトカイン産生能に変化がないかどうかを調べる予定である。
|