研究課題
免疫系が正常なマウス(C57BL/6以下B6マウス)で、すべて同系統の腫瘍(マウスメラノーマ;B16-BL6)、iPS細胞由来マクロファージ(iPS-MP)を用いて、IFN-βを導入したiPS-MPが免疫不全マウスのときと同様に有効であることを確認した。さらに、より強い臨床効果を目指し、IL-15を遺伝子導入したiPS-MP(iPS-MP-IL-15)を作成した。ルシフェラーゼ遺伝子を導入したB16-BL6をB6マウスに腹膜播種させ、腫瘍の生着を確認後、遺伝子改変していないiPS-MP、iPS-MP-IL-15、IFN-βを導入したiPS-MPにて治療比較を行った。IFN-βを導入したiPS-MPがもっとも強い効果を示したが、iPS-MP-IL-15を併用した場合、さらに上乗せ効果を示した。その効果発現メカニズムとして、iPS-MP-IL-15を投与したマウス体内で、NK細胞の活性化が起こっていることを確認した。また、B6マウス、B6マウス由来のiPS-MPで治療した場合、投与したiPS-MPが腫瘍化したが、一方でMHCの一座が異なる129細胞由来のES細胞由来のマクロファージ(ES-MP)で治療した場合は、拒絶され腫瘍化しないことを確認した。またなんら自己免疫現象がおきていないことも確認した。この実験は、将来の臨床応用の際に、HLAをシェアするが、一部異なる他人のiPS細胞で転移性メラノーマを治療することを想定したものであり、iPS-MP療法の安全性を示すものと考えている。また、メラノーマの免疫療法において、鋭敏な診断マーカーを開として、免疫療法施行前後の血清中のmicroRNAについてmicroRNAアレイにて解析、さらに抗体アレイを用いて、タンパク質解析を行った。結果として、いくつかのバイオマーカー候補を見出し、その有用性を検討中である。
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