研究課題
乾癬の遺伝率が高いことは知られているが、その多くを説明できる原因遺伝子はほとんど見出されていない。そこで「遺伝子機能に影響を与える稀な原因変異の同定」を目的として、乾癬患者家族を用い、全エクソンをシークエンシングするエクソーム解析を行う。さらにこれまでに検討すらされていない、「乾癬皮疹部における、発症原因となりうる、体細胞変異の探索」を合わせて行い、遺伝性および非遺伝性の乾癬原因遺伝子を網羅的に解析することが本研究の目的である。さて、日本において、乾癬の家族症例を対象とした全ゲノムのエクソーム解析はいまだ報告がなく、皮膚疾患として体細胞変異を網羅的に探索する研究はほぼ皆無で、類似研究も存在しない。患者6名、3世代、合計15名の家系を見出し、試料の収集を実施し、エクソームシークエンシングを実施した。しかしながら、各種フィルタリングおよび連鎖解析にて、意義のある遺伝子座を見出すには至らなかった。CNVなどの解析も今後の課題となった。一方、Blaschko 線上に乾癬皮診部が認められる非常にまれな患者を見出し、バイオプシー試料の採取を実施し、ここからDNAならびにRNAを抽出した。この試料について、全ゲノムシークエンシングを実施し、現在解析中である。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)
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