| 研究課題/領域番号 |
15K09798
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| 研究機関 | 久留米大学 |
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研究代表者 |
辛島 正志 久留米大学, 医学部, 講師 (70211175)
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| 研究分担者 |
古村 南夫 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (10315070) [辞退]
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 乳房外ページェット病 / 男性ホルモン / アンドロゲン受容体 / 上皮成長因子 |
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| 研究実績の概要 |
乳房外ページェット病は皮膚癌のひとつであるがその細胞生物学的な性質は現在まで多くの点が不明である。その理由として、癌研究に必須である、細胞株がこれまで存在しなかったことが大きな原因である。われわれは本疾患患者病変部由来の細胞株を樹立することに世界に先駆けて成功した（EMPE cell）。過去の病理組織学的解析により本疾患はアポクリン腺由来の腺癌とされており、乳癌もしくは腺癌に準じた抗がん剤を用いる化学療法がなされている。しかし、乳癌その他腺癌に有効な抗癌剤は本疾患に対しては有効率が低い。すなわち、本疾患は腺癌のなかでも、その他の腺癌とは異なる特異な性質をもつ癌と考えられる。今回、われわれが樹立した乳房外ページェット病細胞株を用いてその細胞生物学的な検討、特に増殖因子について検討をおこなった。本疾患はそのおよそ８０％の症例に男性ホルモンリセプター(AR)が発現していることが知られている。EMPE cellもARを発現している。そのためin vitroの系でEMPE cellにおける男性ホルモンの増殖活性の有無について検討した。その結果、EMPE cellは、細胞培養系において男性ホルモン依存性に増殖活性の増強を示すことが、われわれの研究により確認された。EMPE cellは男性ホルモン依存性の増殖活性の増強を示す一方、他の増殖因子、EGFについて検討した結果、EMPE cellはEGFの主たるレセプターであるEGFレセプター(ErbB1)やHER2/Neu (ErbB2)の発現がないにもかかわらず、EGFは強い増殖促進効果を示した。現在、EGFのリガンドの検索中である。ARはリガンド（男性ホルモン）による活性化とは別経路で増殖因子がARの活性化を起こすことからEMPE cellにおいてEGFなどの増殖因子による別経路のARの活性化について現在、解析中である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EMPE cellは、細胞培養系において男性ホルモン依存性に増殖活性の増強を示すことを確認した。また、細胞株の亜株を数種検討したが、細胞株により男性ホルモン依存性の増殖活性に差異があることが確認された。EMPE cellは男性ホルモン依存性の増殖活性の増強を示す一方、他の増殖因子、EGFについて検討した結果、EMPE cellはEGFの主たるレセプターであるEGFレセプター(ErbB1)やHER2/Neu (ErbB2)の発現がないにもかかわらず、EGFは強い増殖促進効果を示した。現在、EGFのリガンドの検索中である。ARはリガンド（男性ホルモン）による活性化とは別経路で増殖因子がARの活性化を起こすことからEMPE cellにおいてEGFなどの増殖因子による別経路のARの活性化について現在、解析中である。
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| 今後の研究の推進方策 |
EMPE cellは、細胞株により男性ホルモン依存性の増殖活性に差異があることが確認されたため、この差異がARの変異に起因するものかどうかをARの遺伝子シークエンスで確認をする。また、EMPE cellにおいけるEGFなどの増殖因子による別経路のARの活性化について、cDNAマイクロアレイによる解析をおこなう。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
既存のもので対応でき、予定していた自動細胞計測装置の購入を取りやめたため、次年度使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
28年度に予定している実験に必要な一般実験試薬、一般実験器具等の購入に使用する。
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