統合失調症の多発罹患家系においては、頻度が稀な変異がその発症に重要な役割を果たしていると考えられる。統合失調症の発症に大きな影響を与える稀な変異を同定するために、1)多発罹患家系の連鎖解析とエクソーム解析、2)発端者・両親トリオのリスク遺伝子リシークエンス、3)症例・対照サンプルの多段階関連解析を行った。エクソーム解析によりUNC13B遺伝子が候補リスク遺伝子である可能性が示唆された。UNC13B遺伝子タンパク質コード領域のリシークエンスにより5個の稀な変異が同定されたが、関連解析では統合失調症との有意な関連を認めなかった。本研究で統合失調症のリスク遺伝子を確定することはできなかった。
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