統合失調症多発家系内では、de novo変異以外に、家系内患者間で共有されている稀な変異が、発症に強い影響を及ぼす変異と考えられる。従来、この稀な変異同定の主たる標的は、親から受け継がない孤発例の患者に新しく発生したde novo変異であった。以上を踏まえた本研究では、①日本人統合失調症多発家系のゲノムサンプリング(20家系、計約100名)、②家系内の患者に加え健常家族も含めた家系全体のエキソーム解析、③家系解析によりde novo 変異に加え患者間で共有する変異の抽出、④in silico解析による発症関連変異を基にした統合失調症発症に関わる遺伝子ネットワーク障害の特定、を実施した。
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