家系構成員12名中4名が特異な身体表現型と統合失調症もしくはその類縁疾患に罹患している家系例に対して遺伝子変異解析を行ったところ遺伝子X内に本家系内発症者にのみに共分離するアミノ酸置換を伴うc.2173C>T(p.Arg725Thr)変異を同定した。遺伝子X産物はヒストン修飾機能を有するが、発端者は健常者よりも有意にX遺伝子の発現が低いことを明らかにした。発端者由来のリンパ芽球様細胞を用いた場合ではヒストン修飾活性測定では明らかな差異が見いだせなかったが、本変異により発生におけるいずれかの段階でX遺伝子の発現が低下し、のヒストン修飾異常により他の遺伝子発現に影響を与えていることが示唆された。
|