研究課題
(1) 傍正中視床下部の病変により2次性にオレキシン神経が障害された過眠症が多く報告されており、2004年にMSのサブタイプであるNMOに特異的に検出される自己抗体が発見され、その標的抗原は脳内の水分子チャネルであるAQP4であることが見出された。AQP4抗体が陰性でもMOG抗体陽性のNMO spectrum disorder 症例など報告されており、亜型が存在する。AQP4抗体の陽性例、陰性例、および抗MOG抗体陽性例のオレキシン値についても検討した。NMO33症例のうちで、AQP4抗体陽性例は25例、AQP4抗体陰性例は8例、男性2例のみMOG抗体陽性であった。オレキシン値はMOG陽性例では比較的に高値であった。両抗体とも陰性例では、ステロイドパルスやγグロブリン療法後のオレキシン値の改善が乏しかった。(2) 抗NMDA受容体抗体に関しては、血清での測定症例では偽陽性の場合があるとの指摘もあり、髄液だけの症例に限定して検討を行った。金沢医大での測定例も対象に加えて、精神科由来の髄液169例での測定のうちで14例で陽性であった。その他に20例の睡眠障害の測定のうちで、4例の陽性例を見いだした。14例のうちの7例は脳炎に至った症例であり、当初は緊張病と診断されていた。もう7例は神経症状の無い精神症状のみの症例であり、精神科の診断としては、緊張病3例、短期精神障害2例、統合失調症2例であった。睡眠障害の4例の陽性例の内、3例がナルコレプシーで、1例が反復性過眠症であった。神経症状の無い精神症状のみの症例に注目して詳細な解析を継続中である。
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